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漁業の成長産業化に必要な視点③

前回、前々回の記事にて、漁業者一人当たりの漁業収益を上げるために、 漁業収益=(漁獲量 × 販売単価)ー 生産コスト で示される、①漁獲量、②販売単価、③生産コスト、の3つの要素のうち、①は長期的に見れば一人当たりの漁獲量は今より増えるとの予測、②の販売単価を上げるための取...

漁業の成長産業化に必要な視点②

前回の記事にて、漁業者一人当たりの漁業収益を上げるために、 収益=(漁獲量 × 販売単価)ー 生産コスト で示される、①漁獲量、②販売単価、③生産コスト、の3つの要素のうち、①漁獲量については、資源の減少が懸念されるものの、漁業者数の減少が続いている中で、長期的には一人当た...

漁業の成長産業化に必要な視点①

日本の一次産業の成長産業化を目指すことが謳われてから、久しいです。 日本の農業は、国土面積が非常に狭く、条件面で諸外国と不利ですので、成長産業化を図るといっても実際には非常に厳しい面があります。 林業も、日本の山は非常に急峻で、機械化が難しいために、収益を上げるのは困難な状...

国連公海条約による日本の水産業界への影響

今年の3月に国連の政府間会合において、国家管轄権外区域での生物多様性の保全と持続可能な利用に関する条約(通称:国連公海条約)の草案が合意され、地球の表面積の4割を占める公海に保護区を設けることなどを決定したことについて、解説記事を執筆しました。...

水産資源の回復と適切な管理に向けた「5つの提言」の公表

今週、当研究所が事務局を務める「資源回復を目指す水産フォーラム(資源回復フォーラム)」の提言を水産庁長官に手交し、公表しました。 資源回復フォーラムは、元水産庁OB、研究者、漁業関係者、市民団体、環境団体の代表などからなる有識者に参加いただき、減少しつつある水産資源を回復し...

改革の推進に必要な体制強化

改正漁業法に基づく新たな資源管理の推進が、まだ軌道にのっていません。 ここ最近でもカタクチイワシのステークホルダー会合や、マダラの資源管理手法検討部会にて、漁業者や地方の研究者から、早急なTAC導入に反対する声が相次ぎました。...

水産物のトレーサビリティの確保に向けた課題と必要な取組

大間産のクロマグロの不正(大間産以外のクロマグロを大間産として流通させることや、漁獲報告違反など)や、アサリの産地偽装、IUU(違法・無報告・無規制)漁業により漁獲された水産物の流通の可能性などを考えると、消費者の立場では、自分が食べる魚が本当に表示された通りのものなのか、...

資源管理のロードマップ推進に向けた課題

改正漁業法に基づき、科学的根拠に基づき、数量管理を中心とした資源管理を推進するためのロードマップが定められましたが、その進捗が予定通りには進んでいません。 その主要な原因として言われているのが、漁業者の理解と納得が得られていない、ということです。...

令和5年度水産予算の概要

来年度(令和5年度)の水産予算の概要が明らかになりました。 まだ最終確定の数字ではありませんが、現時点で報道されている情報によれば、当初予算と補正予算を合わせた予算総額は、 ・今年度(令和4年度)が3,200億円 ・来年度(令和5年度)が3,205億円...

沿岸の漁業者が目指すべき姿

日本の沿岸漁業の漁業者は、規模が零細で、経営状況もとても厳しいとよく言われます。 特に最近では、各地で水揚げ量が減って、かつ燃油代の高騰などによってますます厳しい状況です。 このため、「積立ぷらす」という漁業者の赤字を最大9割まで補てんする補助金がなければ、漁業を継続できな...

漁業を強くするために、一定の競争が必要

有機農業を実践する久松さんという方の「農家はもっと減ってよい」という本を読みました。 日本の農業がいつまでも強くなれないのは、補助金や農地の税制などによって小規模農家が小さいまま兼業で農家を続けられる仕組みがあるから、ということが書かれています。...

漁業所得の向上に向けて

漁業の成長産業化に向けて、国や業界団体が一丸となって取り組んでいますが、その中でも大切なのが、漁業所得の向上でしょう。 漁業所得が上がることによって、意欲や能力のある担い手や後継者が育って、活力ある産業となることが期待されます。一方で、漁業所得が上がらなければ、漁業を続けよ...

大間産クロマグロの報告違反とトレーサビリティ

青森県が、大間漁協などにおける2021年のクロマグロの漁獲量について、約60トンの未報告があったことを公表しました。 未報告が本当に60トン程度だったのか、もっとあったのではないかとの疑惑もありますが、本件の実態調査に消極的だったと言われていた青森県が、未報告を認めて公表し...

漁業所得の向上に向けた課題

日本全体のマクロで見た漁業所得の向上(=売上の増加)をさせるためには、大きく分けて2つで、生産量を増やすことと、単価を上げることです。 この2つは当然ながらとても重要なことで、資源管理を始め取り組んでいかなかければいけないことですが、限界があることも事実です。...

漁業改革を進める上での人類学的視点

「Anthro Vision(アンソロ・ビジョン)人類学的思考で視るビジネスと世界」という本を読んでいます。 簡単に紹介すると、科学技術が進歩して、医療問題や、ビジネス分野などの課題解決が容易になったはずなのに、それが上手くいかない場合が多くあるということ。それは、自分の見...

水産物の認証制度について

シーフードレガシータイムスによる水産物の国際認証ラベルに関する記事を興味深く読みました。 同記事の一番最後に書かれている「私たちは普段、地球の生態系や地球環境を壊そうとか、働いている人たちを苦しめようと思いながら生活しているわけではないと思います。ですが、生活の中で何気なく...

農業と漁業の違い

農業と漁業は、同じ第一次産業で、食料を国民に供給する役割、地域活性化の役割を担っているという点は共通ですが、一方で異なる性質を有している部分もあります。 まず一つは、農業は古くから、政府によって管理されてきたこと。稲作は弥生時代から、国の根幹で、米は江戸時代の経済の中心でも...

新たな資源管理に対する漁業者の懸念について (2)

新たな資源管理(科学的根拠に基づく管理、TAC管理の推進など)に対して、漁業者が不安を感じている大きな理由の一つが収入が減少することに対する心配でしょう。 TACによって、漁獲量が制限され、漁獲量が大幅に減少することは、収入が大きく減少することです。資源管理を行うことによっ...

新たな資源管理に対する漁業者の懸念について (1)

2020年12月に施行された改正漁業法に基づく、新たな資源管理(科学的根拠に基づく管理、TAC管理の推進など)について、依然として漁業者・漁業者団体からの懸念や反対が収まっていません。 4月13日の自民党水産部会では、TAC管理の推進によって漁獲量が減少して経営が悪化するこ...

水産改革のコスト負担について

改正漁業法に基づく、新たな資源管理の推進について、漁業関係者の理解と納得が十分に得られていないとの声が挙がっています。 八木信行編「水産改革と魚食の未来」の序章にて、「改革に伴うコストや痛みは即座に発生する一方で、改革の成果は何年も後にならないと見えてこない。そもそも、本当...

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