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  • makotokumei5

大間産クロマグロの報告違反とトレーサビリティ

青森県が、大間漁協などにおける2021年のクロマグロの漁獲量について、約60トンの未報告があったことを公表しました。


未報告が本当に60トン程度だったのか、もっとあったのではないかとの疑惑もありますが、本件の実態調査に消極的だったと言われていた青森県が、未報告を認めて公表したことは、まずは評価されるべきだと思います。


その上で、国際的な資源管理対象魚種として漁獲量の上限が厳格に設定されているクロマグロにおいて、未報告があったことは、漁業法違反であり、国際的な信頼を損なう重大な違反行為だと思います。


どうすればこの問題を再発防止できるかを考えたときに、やはり性善説ではこの問題に対応できないということだと思います。


漁業者にとっては、厳しい経営環境の中で、報告をせずに販売することには、大きなインセンティブがあります。一つは、漁獲量の上限を気にせずに販売できること。もう一つは、厳密にいえば大間産と言えないものを大間産として高い値段で販売することもできるためです。そうした中で、違反を行ってもバレないということであれば、違反を行ってしまう漁業者はたくさんいるでしょう。違反をしたら、バレるという仕組みを作らねばなりません。


当然ながら、自主報告では、不正や違反を見つけることは困難で、公的機関または第三者による一定のチェック体制が必要です。


青森県もそれを分かっていて、漁獲証明制度の導入を国に働きかけるとのことです。水産庁においてもクロマグロの流通管理の強化を検討しているとのことですので、クロマグロには漁獲証明制度が導入されることになると思います。


私としては、クロマグロについては漁獲証明制度にとどまらず、トレーサビリティ(漁獲に関する情報を流通、販売に至るまで伝達する仕組み)を導入してほしいと考えます。なぜならば、漁獲証明制度では、不正を防止することはできるかもしれませんが、魚に付加価値をつけることはできないからです。


消費者は、魚の産地に偽装や不正がないことは当然ですが、漁法や誰が獲ったのかなど、より多くの情報を求めるようになってきています。また、漁業者にとっても、自分の獲った魚のブランド化、ストーリーをつけて販売することに、トレーサビリティを使うことが出来ます。


全ての魚にトレーサビリティを導入することは、まだ難しいかもしれませんが、クロマグロのような価格の高い魚あれば、トレーサビリティを導入しやすいため、まずはクロマグロにおいて、トレーサビリティの検討が行われるとよいと考えています。





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