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生態系ベースでの資源管理について

日本では2022年12月に施行された改正漁業法により、科学的根拠に基づいたMSYベースの数量管理を中心とした資源管理が進められようとしています。


ただし、現在のTACは、魚種・系群ごとに定められており、種間関係や、海洋環境の変化による影響はまだ資源予測の中に取り入れられていません。


米国では、MSYベースの資源管理が時代遅れと言われるようになってきており、生態系ベースでの資源管理の研究が盛んに行われています。ただし、米国でもまだ生態系ベースでの資源管理を実際に行うにはハードルが高く、生態系を考慮している資源評価は全体の数%ほどと言われています。


日本において、今後、米国の取組を参考にしながら生態系ベースの資源管理を行っていくためには、まずは生態系の状態を把握するためののEcosystem Status Report(ESR)の作成から始めることが必要と考えます。


次に、主要魚種については、生活史の説明を強化すること。それにより、魚の成長に必要な生態系、産卵場やハビタットの位置、捕食関係、有効な指標/水温、クロロフィル、他が明らかになります。また、生態系の影響に加えて、人為的な影響(漁業、混獲、遊漁、他の開発行為など)も含められるのがよいです。


生態系の影響を数量的に考慮するのはまだハードルが高いでしょうから、定性的な説明、指標が影響を及ぼすと考えられるベクトルの向き、想定されるリスクの説明から始めるのがよいと考えます。


そして、管理に生態系の影響を取り入れるためには、ディシジョンツリーの作成が有効です。


これらの取組を行うためには、研究体制(人数)の強化が必要であり、水産予算の中でも研究に使うお金の割合を高めていくことが、長期的に日本の漁業を強くするために必要でしょう。







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