改正漁業法に基づく新たな資源管理の推進が、まだ軌道にのっていません。
ここ最近でもカタクチイワシのステークホルダー会合や、マダラの資源管理手法検討部会にて、漁業者や地方の研究者から、早急なTAC導入に反対する声が相次ぎました。
新たな資源管理を導入するには、一定のコストが伴いますので、漁業者が反対するのは当然と思います。
そうした状況の中で、数量管理を中心とする科学的根拠に基づく資源管理を前に進めるためには、単に強く押しきろうとしても上手くいかず、
①まずは現場の声を丁寧に聞いた上で、
②現場の感じている課題に対する対案を示して説明を行い、
③最後は政府が決定をして前に進める
というプロセスが必要と思います。
現在の状況は、①と②が十分に行われていない中で、③を行おうとしているために、反対がやまないのではないかと思います。
ではなぜそうなっているかというと、①と②を行うために必要な職員の数が圧倒的に足りていないからではと思います。
水産庁の担当部署の中でクロマグロのTACに関わっている人数が5〜6名、既存TAC8魚種の担当が3名ほど、そして残りの5名ほどでロードマップに記載されている15魚種のTACを進めようとするのは無理があり、少なくとも今の3倍程度の人数が必要なのではないでしょうか。
資源管理を進めるためにまず必要なことは、そのための人員体制を大幅に強化することと感じています。
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