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トラフグの資源状況と調査強化の必要性

日本には、約500ほどの食用魚種があると言われていますが、その中で天然のトラフグは高級魚に位置付けられるため、多くの人が日常的に食べる魚ではありません。


しかしながらは、フグは、古くから特別な日や祝いの席での料理に使われており、日本の食文化を代表する食材の一つです。猛毒を持つため、ふぐ調理師免許を持った専門の料理人のみが扱いを許されます。また、日本は世界でも希な「専門の料理人によってふぐを安全に食べることができる国」であり、日本のふぐ食文化を体験すべく、多くの観光客が訪れます。


このように、フグの漁獲は、漁業者のみならず、フグ専門の流通業者、飲食店、観光業界などに大きな影響を及ぼし、地域経済・社会にとって重要です。


このトラフグの資源状況が悪化しており、漁獲量は過去20年で6割減少しました。そして加入尾数という、親魚が卵を産んでどれくらいの魚が生き残って成長して新たな漁獲対象になるかを示した数字は、過去20年間で8割以上減少しました。


このままの低加入が今後も続けば、近いうちにトラフグの天然資源がほとんどなくなってしまうことも懸念されるレベルです。


なぜトラフグの資源状況が悪化しているかについては、まだはっきりしたことは分かっていませんが、温暖化によって親魚が産卵場にたどり着けずに卵を産めなくなっているのではないかと言われています。


しかしながら、まだそれも仮説段階のため、更に調査を強化して、加入が減少している原因をより正確に理解する必要があります。調査には人手が必要になりますので、研究機関だけではなく、漁業者と協力しながら進めることが重要です。


また、資源に影響を与えやすい要因として、未成魚の漁獲があります。まだ成長していない小さな魚を獲ることで、資源により大きな影響を与えてしまいますので、そうしたことへの対策も同時に取り組むべきと考えます。







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